外反母趾と巻き爪

  最近はコロナ禍の影響で外出の機会が少なくなり、歩く距離も短くなっていると感じます。今日は歩くことと足の指について考えてみましょう。

  まず、外反母趾はどうして起こるのでしょうか。実は日本の文化が関係しているのです。日本では靴を脱いだり履いたり頻回に行います。いちいち靴ひもを結ぶのは大変です。そこで、足の甲の所が伸びる素材になっていると簡単に脱いだり履いたりできます。また靴ひもを緩く締めておけば、さっと履けてすっと脱げます。便利ですよね。

  しかし、このとき足の指はどうなっているでしょうか。すっと履ける靴では足首は固定されていません。歩いているうちに指先は靴の先端部の曲線に合わせて、親指は外側に、小指は内側に強く押されます。すると指の付け根は逆に広がっていきます。これが外反母趾です。足の指を靴の先端部に押しつけないようにすれば、外反母趾は予防できます。あるいは、外反母趾の進行が止まります。外反母趾の対策には、面倒でも毎回靴ひもをしっかり結んで、足首が前後に動かないよう固定すれば、足が前に移動せず、指先も曲がらずに済みます。いちいち靴ひもを締めたり緩めたりするのは嫌だという方は、ファスナーの付いたものを選びましょう。靴ひもをしっかり結んでも、脱ぎ履きはファスナーで一発です。あるいはひもではなくマジックテープでさっと脱げるタイプもいいかもしれません。ちなみに私はファスナー派です。

  さて、もう一つ巻き爪があります。爪は一般的に内側に曲がる性質があります。しかし歩くときに下から圧力がかかり爪を伸ばすように働きます。この曲がろうとする力と下からの伸ばそうとする力がほどよく働いて、爪は軽く曲がった状態を保つようです。

  サンダルやかかとをつぶした靴など、かかとのないものばかりを履いているとペタペタ歩きとなり、指先に体重をかけて蹴る動作がなくなります。すると爪の曲がる作用が強くなり巻き爪の傾向となります。歩くときは背筋を伸ばし、足先で地面を蹴るようにして歩きたいものです。ついでに地面を蹴った後はかかとから着地すれば完璧です。コロナ禍といえども、外歩きは濃厚接触の可能性はありません。どんどん外出して歩くことを始めませんか。