コラーゲンペプチドで老化予防

2015年5月17日

 私たちの体の20%はタンパク質からなり、そのうちの30%はコラーゲンで、多くは皮膚に含まれ細胞と細胞の間で組織を支え、体の形を保つ働きがあります。コラーゲンが劣化すると、皮膚はフニャフニャでシワシワな状態になり、硬くて深いシワができてみずみずしさのない、いわゆる老化した皮膚になります。
 コラーゲンを含む皮膚や骨・軟骨を多く含む料理が冷えると煮こごりになりますが、この煮こごりはコラーゲンそのものです。タンパク質であるコラーゲンは分子量が極めて大きく、食べてもそのまま吸収されることはなく、老化予防の効果は無いと考えられてきました。
 しかし、コラーゲンを加熱抽出・生成してゼラチンを作り、さらに酵素で分解したコラーゲンペプチドは、腸から吸収できることがわかりました。コラーゲンペプチドの中でもプロリンとヒドロキシプロリンがくっついた(P-O)や、ヒドロキシプロリンとグリシンがくっついた(O-G)の研究が進み、活性物質としての有効性が証明されました。
 皮膚の老化は、活性酸素による酸化と、タンパク質と糖が化学反応を起こす糖化が原因です。皮膚のみずみずしさを保つ「コラーゲン」や「エラスチン」「ヒアルロン酸」に酸化や糖化が起こると老化が進みます。コラーゲンペプチド、特に(P-O)や(O-G)は線維芽細胞を活性化させてヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンを増やします。動物実験ではコラーゲンペプチドを食べさせることで、皮膚の老化が予防されました。
 コラーゲンペプチドを含む健康食品はすでに商品化されており、1日10グラム程度の摂取が基準です。ただし、一汁三菜などバランスの良い食事を3食摂っていることが前提です。バランスの悪い食事をコラーゲンペプチドは補えず、その効果も期待できません。それどころかコラーゲンペプチドのみの偏ったタンパク質摂取では、健康を損なう危険があります。