五十肩の対処法

2012年5月20日

 40代、50代になると、多くの方に訪れる「肩関節周囲炎」を、別名で四十肩・五十肩と呼びます。高い所のものを取ろうとすると「ギクッ」「ズキッ」とした激しい痛みとともに、肩を動かすのが怖くなります。急性期には炎症が広がり、じっとしていても痛みが走ります。夜寝るときには特にひどくなるようです。
 これは、肩の関節をつつむ関節包とその周囲に炎症が起こることが原因のようです。痛みのひどい時は安静が一番で、無理に動かすと関節内の腱板が壊れ、痛みが長引くだけではなく痛みが減っても肩の動きが制限されることもあるようです。
 まずは消炎鎮痛剤をのんだり、湿布などを用いて関節の炎症をとるようにします。ひどい痛みの時は、関節内注射をして炎症の広がるのを防ぎます。
 寝ると肩の関節が狭くなるため、痛みが増すようです。肩から腕の後ろにタオルなどを入れて、肩を支えます。また三角巾などで肩が下がらないようにしたり、肩のサポーターなども試してみるとよいでしょう。
 予後は良好で、手術せずに痛みは治まるのが普通ですが、1年以上かかることが多いようです。長くなると肩や首などの筋肉が硬直していることが多く、これらの緊張を取ることも大切で、柔軟性回復と筋力増強をおこなう必要があります。
 そこで痛みが落ち着いてきたら、肩の運動療法を開始しますが、痛みを伴う運動は逆効果です。運動をする前に肩を温めますが、温めることで痛み無く動かせる範囲が広がり、運動療法の効果が増します。
 具体的には、お風呂などで肩を十分温めてから、腰の後ろで両手を握って持ち上げる運動、首の後で手を組んで広げる運動、指先で同側の肩を触りクロールのように回す運動などがありますが、痛みのおきない範囲内が原則です。