RICE(ライス)は、ねんざや打ち身、肉離れ、骨折などの外傷(けが)をしたときに行う救急処置の頭文字で、Rest(安静)、Icing(氷冷)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)を意味します。
外傷時の内出血は傷が治るための大切な過程です。しかし過剰な内出血は、血の流れを悪くし回復を遅らせます。そこで、けがの部分を軽く圧迫し、心臓より高く上げて安静にすることで、血流を保つことが大切になります。中でもIcingは重要です。氷水を入れたビニール袋を二十~三十分間患部に当てた後、三十~四十分間休むというのを繰り返すことで内出血部の血管が収縮して止血し、腫れがひきます。Icingは傷を負った後二十分以内に開始しましょう。
最近、けがをした人が湿布剤を貼って来ることが多くなりました。湿布剤には消炎剤が入っており、炎症を抑えたり痛みを軽くする効果があります。しかし独特のスーッとした冷たい感覚は、湿布剤の水分の蒸発やハッカ刺激によるものであり、患部の温度はさほど下がっていないのです。湿布ではなく、Icingをしましょう。ちなみに温湿布には唐辛子が含まれており、その刺激で局所の血流が上昇し、多少温度が上がるため、傷を負った直後はもとより炎症の強い急性期には使わない方がよいでしょう。
けがをした時のRICEは二十四時間以内が目安です。受診するのであれば、その間に行くことを勧めます。