糖尿病とはどういう病気でしょうか?

 血液中のブドウ糖が慢性的に多すぎる状態のため、身体に不都合な症状や合併症が起きてくる病気です。血液中の糖(血糖)はほとんどがブドウ糖であり、血液中のブドウ糖の濃さを血糖値と呼んでいます。因みに早朝空腹時110(mg/dl)未満かつ75gブドウ糖負荷2時間後140未満を「正常型」、空腹時126以上あるいは負荷後2時間200以上を「糖尿病型」と言い、いずれにも該当しないときは「境界型」と判定します。慢性という点が重要で、もし初回検査で糖尿病型であれば、後日再検査して高いことを確認して「糖尿病」と診断されます。ただし、口渇・多飲多尿・体重減少などの糖尿病の典型的な症状や確実な糖尿病網膜症やHbA1c6.5%以上があれば、初回検査だけで糖尿病と診断できます(HbA1cは1~2ヶ月間の平均的な血糖値を表す指標、後日、説明します)。

 不都合な身体症状や併発・合併症は多種多様で、身体のあちこちに現れます。何か異常を感じた時に、ちょっとした対応の遅れや判断の誤りで生死を分けてしまう合併症もあります。従って、まず、糖尿病を知ることから治療は始まります。

 「何か解らないことがあったら尋ねてください」と診察室で話しかけても質問されることは稀です。また、糖尿病の治療に際しては、どうしてもご本人やご家族に知っていていただかねばならない注意点もあります。それは使用する薬の種類によっても異なるので、個々の患者さんに対しては診察室での話になりますが、一方、皆様に共通する事項は糖尿病教室をご家族と一緒にご利用いただくのが良いと思います。教室後に、「解っているようで解っていなかったことに気付いた」とおっしゃる参加者が多いようです。

 今回を皮切りに、皆様方にお伝えした点をコラム形式で少しずつ解説していきたいと思います。